「性教育は家庭で、低年齢のころから段階を踏んで取り組もう」と提案する親向けの性教育本を目にすることがあるかもしれません。性教育らしいものをこれまでしていなかった場合、「もう高学年だけど…出遅れてしまったのかも?」と焦ることも。中でも、母親の場合、異性である息子への性教育は、学年が上がるほどしづらいと感じているケースもあるでしょう。本記事では、性教育に関する親向けのワークショップなどを開催する医師夫婦ユニット「アクロストン」に、高学年男子にこれから性教育を始めるという親に向けて、気を付けたいことや教えたいことなどを聞きました。
【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 「性教育出遅れたかも!」高学年男子親が今大切にしたいこと ←今回はココ
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(3) キャッシュレス決済 親の教え方4つのポイントと注意点
今からでも大丈夫?
家庭向けの「性教育」の指南書が増えている現状は親にとって喜ばしいこと。とはいえ、「低年齢から段階を踏んで教えよう」といった記事を目にしたりすると、「もう高学年になってしまったけど……今からでも大丈夫かな?」と焦る親もいるでしょう。
「子どもが高学年なのに何も性教育をしていない、今からたくさんのことを教えないといけない。どうしよう!」と困っている保護者は少なくない、と医師夫婦ユニット「アクロストン」のみさとさんとたかおさんは指摘します。小学生2人の親でもあるアクロストンは、性教育に関する親向けのワークショップなどを開催しています。
一般的に性教育に「デッドライン」はあるのでしょうか。一つの目安として言われるのが「小4の3学期」という時期です。
「セックスについては、男女ともに小4の3学期までに教えられるのが理想だと思います。多くの学校で小4の3学期に、保健の授業で月経・射精を学びます。ただその際に、受精や受精に至る過程(セックス)について説明されることはなく、セックスについてすでに知っている子が間違った知識とともに周りの子に話すことがあるからです。
子どもが小さい頃のほうが性の話に対して偏見がないため、家庭で性教育を早く始めるメリットがあるのは事実ですが、『○歳までに性教育をしないとダメ』といった言葉は気にしなくても大丈夫です。性教育は、何歳からでもスタートできます。家庭での性教育の始め時は、親もしくは子が性の話に興味を持った時だと私たちは考えています」
高学年男子に対してこれから性教育をするにあたり、気を付けたいポイント、伝えたい具体的な内容などをアクロストンの二人に聞きました。