「中間反抗期」、「4、5歳の壁」、「ギャング期」……などと、年中の子どもたちを指すさまざまな表現があります。こだわりが強く、すぐにかんしゃくを起こすなど、一筋縄ではいかない4~5歳児の育ちの特徴とその理由。さらに、この時期の子に、親としてどのように対応していくべきかについて、40年以上にわたり子どもたちを見守ってきた保育施設代表の柴田愛子さんに、話を聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 4・5歳は幼児の反抗期 親次第で成長のチャンス ←今回はココ
(2) 4~5歳は友達とのケンカ通じ成長する 親の見守り方
(3) 「外遊びをしない」が子どもの姿勢に及ぼす影響
(4) あぐらや尻下タオルで一生ものの姿勢を手に入れる!

わが子に期待するから葛藤もある

 「こだわりが強い」「何を言ってもすぐ『嫌!』と言う」「イヤイヤ期のようにひっくり返って反抗する」……など、4~5歳に当たる年中児を育てる親の中には、わが子の扱いに悩んでいる人も少なくないのではないでしょうか? いちいち抵抗されると、「またか」とうんざりすることもあるかもしれません。

 認可外保育施設、りんごの木子どもクラブ代表の柴田愛子さんは次のように話します。

 「4~5歳児はなかなかハードな時期なので、親も疲れるし、困惑もすれば、何でこんなことになっているのかと葛藤もしますよね。でもそうした子育ての葛藤は、子どもが悪いとか、親の力不足だということではなく、親が子どもに期待をしていれば当然のこと。わが子に期待し、可能性を信じ、自分自身もよりよい親でありたいと思っていることの証しです。子育ては日々葛藤の連続で、『葛藤がない時期』はないんです。子どもへの期待が子育てのエネルギー源でもあり、葛藤の源でもあると思ってください」

 その上で、この4~5歳時期の特徴について、「親子の言葉によるコミュニケーションがとりやすくなる一方で、思考力も育ち自分の意志が育ってくると同時に、ひときわプライドが高い時期」だと柴田さん。

 それゆえに親は扱いづらさを感じる場面が多くなるのだそうですが、この時期扱いづらいと感じる子は、親の対応次第で大きく伸びるチャンスでもあるのだそう。次のページからそうした年中時期の成長の特徴や、親の対応のコツについて、詳しく聞いていきます。